初めてでも安心!婚姻届の書き方と提出の流れを分かりやすく解説
婚姻届は、ふたりの結婚が法的に認められる大切な手続きです。しかし、いざ記入しようとすると「どこに何を書くの?」「証人って誰に頼むの?」など、迷う点も多いもの。記入ミスや書類不備があると、希望した入籍日に受理されないケースもあります。
この記事では、婚姻届の正しい書き方から提出時の流れ、注意すべきポイントまでを分かりやすく解説します。初めての手続きでも安心して進められるよう、必要書類やよくある間違いも併せて紹介。手続きを終えた後は、新しい生活や結婚式の準備を気持ちよく進められるはずです。
婚姻届を準備する前にそろえるもの
婚姻届をスムーズに提出するためには、事前の準備が大切です。
ここでは、提出前に確認しておくべき持ち物や、間違いやすい「本籍地」の調べ方について解説します。
必要な書類と持ち物
婚姻届の提出に必要なものは、基本的に「婚姻届の届書」と「本人確認書類」です。
届書は、役所の窓口でもらえます。書き損じに備えて、2~3枚もらっておくと安心です。本人確認書類は、運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなど、顔写真付きのものを準備しましょう。
筆記用具は、黒のボールペンか万年筆を使います。こすると消えるタイプのペンは使用できません。また、婚姻届への押印は、2021年9月1日施行の法改正により任意になりました。押印する場合は、朱肉を使う認印か実印を用意し、シャチハタ印は避けましょう。
自治体によっては、訂正時に印鑑が必要な場合もあるため、念のため持参すると安心です。
本籍地の確認方法
婚姻届には、現在の本籍地を正確に記入する必要があります。本籍地は、現在の住所と必ずしも同じとは限らないため、自信がない場合は事前に確認しておきましょう。もし誤った情報を記入すると、婚姻届が受理されない可能性があります。
本籍地が分からないときは、住民票の写しを取得して確認するのが確実です。申請時に「本籍・筆頭者の記載あり」を選択すれば、正確な情報が記載された住民票が発行されます。親に確認する方法もありますが、記憶があいまいなケースもあるため、公的な書類で確認することをおすすめします。
2024年3月1日から戸籍情報連携システムが開始され、本籍地以外の市区町村役場に婚姻届を提出する場合でも、戸籍謄本の添付が原則不要になりました。ただし、システム未対応の自治体では一時的に必要となる場合があります。提出先の役所のホームページなどで確認しておくとより安心です。
参考:法務省「戸籍法の一部を改正する法律について(令和6年3月1日施行)」
婚姻届の正しい書き方

婚姻届の記入には、いくつかのルールがあります。
ここでは、項目ごとに具体的な書き方と注意点を解説します。
氏名と生年月日欄
氏名欄には、婚姻前の氏名(旧姓)を戸籍に記載されているとおりの漢字で、楷書で丁寧に記入します。例えば、戸籍上の氏名が旧字体(例:「髙」や「﨑」)の場合は、そのまま旧字体で書く必要があります。フリガナも忘れずに記入しましょう。
生年月日は、「昭和」「平成」などの元号を使って和暦で記入します。「S」や「H」のように省略せず、正式な元号を書きましょう。
住所・世帯主・同居欄
住所欄には、現在住民登録をしている住所を、住民票の記載どおりに記入します。「〇丁目〇番〇号」やマンション名なども、省略せずに正確に書き写しましょう。
婚姻届の提出と同時に転入届を出す場合は、新しい住所を記入して問題ないことが多いですが、事前に役所に確認すると確実です。
「世帯主」の欄には、住民票に記載されている世帯主の氏名を記入します。一人暮らしの場合は、自分自身の氏名が世帯主となります。
「同居を始めたとき」の欄には、結婚式を挙げた日または同居を始めた日のうち、早いほうを記入します。
まだ同居していない、または結婚式も挙げていない場合は、空欄で提出できる自治体もありますが、「その他」欄に「同居も結婚式もしていない」と記入するよう求める自治体もあります。判断に迷う場合は、事前に提出予定の役所で確認しておくと安心です。
本籍と氏の選び方・新しい本籍地欄
現在の本籍は、戸籍謄本に記載されているとおりに、都道府県名から番地まで正確に記入します。筆頭者とは、戸籍の最初に記載されている人のことです。
「婚姻後の夫婦の氏」の欄では、夫と妻のどちらの姓を名乗るかを選択し、チェックを入れます。ここでチェックを入れたほうが、新しい戸籍の筆頭者になります。
「新しい本籍」は、日本国内で地番があれば、どこにでも設定できます。多くのカップルは、夫か妻の実家の住所、または新居の住所を新しい本籍地として選んでいます。
父母の氏名と続柄欄
父母の氏名欄には、戸籍に記載されている実の父母の名前を記入します。両親が同じ姓を名乗っている場合は、その姓でそれぞれの名前を書きましょう。離婚や死別している場合でも、実の父母の氏名を正確に記入する必要があります。
続柄欄には、戸籍の表記に合わせて「長男」「二女」などと書きます。「次男」「次女」ではなく、漢数字(例:二男・二女)を用いるのが一般的です。
養子縁組をしている場合など、記入方法が異なるケースもあります。迷ったときは、事前に役所で確認しておくと安心です。
夫妻の職業欄
婚姻届には、夫妻それぞれの職業を記入する欄があります。
ただし、この欄の記入が必要なのは、国勢調査が実施される年度(例:2025年4月1日~2026年3月31日)に提出する婚姻届のみです。それ以外の年に提出する場合は、空欄のままでも差し支えありません。
記入が必要な年度にあたる場合は、届書に示された分類例(「会社員」「自営業」「学生」「無職」など)に沿って、自身の職業を選んで記入します。
提出年度が対象かどうか分からないときは、役所の窓口で確認しておくと安心です。
証人欄
婚姻届には、成年2名の証人による署名が必要です。証人は、両親や兄弟、親しい友人など、20歳以上の成人であれば誰でもかまいません。
| 要件・記入項目 | 内容 | 注意点 |
| 年齢要件 | 18歳以上の成人2名 | 国籍は問わない |
| 記入事項 | 氏名・生年月日・住所・本籍 | すべて自筆で記入 |
| 押印 | 任意(シャチハタ不可) | 訂正は本人が二重線+追記 |
記入してもらう前に、本籍地を正確に確認してもらうようお願いしておくとスムーズです。
その他・連絡先欄
「連絡先」の欄には、日中に連絡がつきやすい電話番号を記入します。婚姻届の記載内容に不備や確認事項があった場合、役所からこの番号に連絡が入ります。連絡が取れないと手続きが滞ってしまう可能性があるため、必ず正確に記入しましょう。
「その他」の欄は、通常は空欄のままで問題ありません。この欄は、外国籍の方との婚姻や、氏の字体について特別な申し出がある場合などに使用します。
婚姻届の提出の流れと注意点
記入が終わったら、いよいよ婚姻届を提出します。希望の日を入籍日にしたい場合は、スムーズに受理してもらえるよう、提出の流れや注意点を事前に確認しておきましょう。
ここでは、提出の準備から窓口・代理・郵送などの方法まで解説します。
希望日に受理されるための提出準備
婚姻届が受理された日が、法的な婚姻成立日(入籍日)となります。希望の日を記念日にするには、書類に不備がない状態で提出することが大切です。
多くの役所では、提出前に内容を確認してもらえる「事前確認」サービスを行っています。あらかじめ利用しておくと、当日の記入ミスを防げて安心です。
また、提出時間にも注意しましょう。夜間や休日など開庁時間外に提出した場合は「預かり」となり、翌開庁日に内容確認後、正式に受理されます。
不備がなければ提出日が入籍日となりますが、誤りがあると修正が必要になり、希望日に受理されないこともあります。
窓口で提出する
婚姻届は、夫または妻の本籍地、もしくは所在地の市区町村役場で提出できます。「所在地」には一時的な滞在地も含まれるため、日本国内であれば、全国どこの役所でも提出が可能です。
提出の際は、窓口で本人確認が行われるので、運転免許証やパスポートなどの本人確認書類を忘れずに持参しましょう。書類に不備がなければ、その場で受理され、手続きは完了です。
大安や祝日、ぞろ目の日など、入籍日に人気のある日は役所の窓口が混雑することがあります。時間に余裕を持って行くか、混雑しにくい時間帯を狙うなどの工夫をするとよいでしょう。
代理・郵送で提出する
婚姻届は、代理人が提出することも可能です。夫婦となるふたりが署名した婚姻届であれば、親や友人に提出を依頼できます。多くの自治体では委任状は不要ですが、代理人の本人確認書類は必要となる場合があるため、事前に提出先の役所に確認しておきましょう。
郵送での提出に対応している自治体もありますが、すべての役所で受け付けているわけではありません。郵送を希望する場合は、必ず提出先の役所に可否を確認してください。
郵送の場合、書類に不備があると返送され、再提出が必要になります。そのぶん時間がかかってしまうため、希望の入籍日がある場合は、十分な余裕を持って送付することが大切です。
旅先で提出する
婚姻届は、本籍地や住所地だけでなく、旅行先など一時的な滞在地の役所でも提出できます。ふたりの思い出の場所や、リゾートウェディングの地で婚姻届を提出するのも素敵な記念になるでしょう。
旅先で提出する場合も、必要な持ち物は基本的に同じです。記入済みの婚姻届と本人確認書類を忘れずに持参しましょう。
また、提出予定の役所によっては時間外窓口の有無や受付体制が異なるため、事前に受付時間や持ち物を確認しておくと安心です。
間違えたときの対処法
婚姻届を誤って記入してしまった場合、修正液や修正テープは使用できません。誤った箇所には二重線を引き、その近くの余白に正しい内容を記入するのが一般的な訂正方法です。
ただし、訂正箇所が多い場合や、自治体によって訂正方法の扱いが異なることもあります。その場合は、新しい届書に書き直して提出するほうが確実で安心です。
予備の届書をあらかじめ数枚もらっておくと、書き直しの際にも慌てずに済みます。
婚姻届が受理された後の手続き
婚姻届が受理されると、法的に夫婦となります。ただし、それで完了ではありません。新しい姓や住所に合わせて、名義変更や各種手続きを進める必要があります。
ここでは、提出後に行う主な手続きを紹介します。
婚姻届受理証明書をもらう
婚姻届受理証明書は、婚姻届が正式に受理されたことを証明する公的な書類です。新しい戸籍ができるまでには数日から1週間ほど時間がかかるため、その間に名義変更などの手続きを進めたい場合に、戸籍謄本の代わりとして利用できます。
証明書には、手続きに使えるシンプルな「証書タイプ」と、記念品として飾れるデザイン性の高い「上質紙タイプ」があります。手数料は一般的な証明書であれば300円前後ですが、上質紙タイプでは500~1,500円程度となる自治体もあります。
証明書は婚姻届を提出した役所でのみ発行できるので、必要な場合は受理されたタイミングで申請しておきましょう。
名義変更や住所変更の手続き
結婚によって姓や住所が変わった場合、さまざまな名義変更の手続きが必要になります。新しい戸籍ができてからでないと進められない手続きもあるため、計画的に行いましょう。
一般的に、まず行うべきなのは、運転免許証やマイナンバーカードといった身分証明書の変更です。これらが新しくなると、その後の銀行口座やクレジットカード、保険などの手続きがスムーズに進みます。
▼主な名義・住所変更手続きリスト
- ・運転免許証
- ・マイナンバーカード
- ・パスポート
- ・銀行口座・証券口座
- ・クレジットカード
- ・生命保険・損害保険
- ・携帯電話
- ・印鑑登録
多くの手続きでは、新しい住民票や戸籍謄本の提出が必要です。優先順位を決めて、効率的に進めましょう。
婚姻届の書き方に関するよくある質問
婚姻届を初めて書くにあたって、細かい点で疑問に思うことも多いでしょう。
ここでは、特に多くの方が迷いがちな質問についてお答えします。
シャチハタは使える?
婚姻届に押印する場合、シャチハタ印(インク浸透印)は使用できません。シャチハタは印影が変形しやすいため、公的な書類には不向きとされています。押印は任意ですが、もし押すのであれば、朱肉を付けて使うタイプの認印か実印を使用しましょう。
押印する際は、インクがにじんだり、かすれたりしないよう、きれいに押すことを心がけましょう。万が一失敗してしまった場合は、二重線を引いて近くに押し直すのが一般的な訂正方法です。
証人は誰に頼むのが一般的?
婚姻届の証人は、成人(18歳以上)で条件を満たしていれば、国籍を問わずなれます。ただし、外国籍の方の場合には、成人年齢などの要件を自治体窓口で確認すると安心です。
一般的には、両家の親にお願いするケースがもっとも多いですが、兄弟姉妹や親しい友人、お世話になった恩師や職場の上司などに依頼するカップルもいます。
証人は、ふたりの結婚を公的に証明する大切な役割を担います。誰に頼むかという決まりはないので、ふたりの結婚を心から祝福してくれる、信頼できる方にお願いするのが一番です。
入籍日と結婚式の日はどう関係する?
法律上、「入籍日」とは婚姻届が役所に受理された日のことを指します。この日から、ふたりは法的に夫婦として認められます。
一方、結婚式は、家族や友人の前で結婚を誓い、お祝いするセレモニーです。入籍日と結婚式の日を同じ日にするカップルもいますが、必ずしも一致させる必要はありません。
まとめ

婚姻届の提出は、ふたりが夫婦になるための大切なステップです。正確な記入と事前の準備を心がけることで、記入ミスや不備を防ぎ、希望の日にスムーズに提出できます。特に、本籍地の確認や証人への依頼は、早めに進めておくと安心です。
無事に手続きを終えたら、いよいよ新しい生活の始まりです。名義変更などの手続きも計画的に進めながら、ふたりで力を合わせて結婚式の準備や新生活のスタートを楽しみましょう。